“日本のこころ”を今に伝える第５回「和を遊ぶ」開催

小樽市民会館50周年記念　小樽伝統文化の会主催

  かつての“芸どころ”小樽の風土に育まれ、いにしえより人から人へ磨かれ続けてきた伝統文化。三曲、詩吟、琵琶、長唄、日本舞踊…など日本のこころや雅の世界を味わう「第５回　和を遊ぶ」が５月19日、小樽市民会館で開催された。
  主催は小樽伝統文化の会。日本舞踊「藤間流扇玉会」（会主・藤間扇玉）、長唄「彌生会」（会主・枡屋彌三澄）、華道家元池坊小樽支部（支部長　栗栖玲子）、小樽三曲協会（会長・山本聖子）、日本詩吟学院小樽しりべし岳風会（支部長　前川岳樽）など、それぞれ古典芸能を伝承する団体が協力し企画した。
  午前11時の開場とともに、子どもからお年寄りまで多くの人が訪れ、和服姿の来場者も多数見られた。市民会館１階のロビーには賛助団体・茶道表千家小樽吉祥会によるお茶席が設けられ、順番待ちができるほどの賑わい。館内では花展、短歌、川柳、俳句などの作品展示も行われ、それぞれに“和”の風情を楽しんでいた。
  また、１階では政寿司や日本橋による寿司弁当の販売、新倉屋「花園だんご」など小樽ならではの老舗の味も出店。２階には辻忠織物加工店、乙女のきもの、田中繊維本店など着物や帯の店が出店し、はきもの松屋による草履や下駄の販売も行われた。
  午後１時からは三曲、詩吟、長唄、琵琶、日本舞踊などの華やかなステージが次々と披露され、会場を埋め尽くした超満員の観客からは惜しみない拍手が送られていた。
  今年50周年を迎えた小樽市民会館の記念事業となったイベント「和を遊ぶ」は、大盛況のうちに幕を閉じ、多くの小樽市民が日本文化に触れる機会となった。

＜写真＞
小樽三曲協会による箏、三弦、尺八による合奏で『都の春』。